2016年11月11日金曜日

【狂気の沙汰】トランプ大統領誕生の翌日にTPP承認案と関連法案を衆議院本会議で可決

トランプでTPP消滅なのに…安倍政権が本会議で承認を強行採決し世界の笑い者に! TPP礼賛のマスコミも共犯だ

2016.11.10



一体、何のために……。先刻、4日の特別委員会につづいて衆院本会議でもTPP承認案・関連法案が強行採決された。

ご存じの通り、昨日開票が行われたアメリカ大統領選では「就任初日にTPPから離脱する」と宣言しているドナルド・トランプが勝利。これを受けてマコネル上院院内総務は記者会見で「年内にTPP採決は行わない」と述べた。オバマが任期中にTPPを批准する可能性はほぼ断たれ、アメリカが不参加となればTPPは発効されない。

しかも、こうした事態は予測できたものだ。実際、日本以外のTPP参加国はアメリカ大統領選の動向を見極めるべく、慎重に動いていた。そのため〈参加十二カ国の中で、国内手続きを終えた国はない〉(東京新聞11月1日付)という状態だったのだ。

なのに、日本だけは前のめりで、10月7日のTPP主要閣僚会議で安倍首相は「他国に先駆け、日本の国会でTPP協定を承認し、早期発効にはずみをつける」と息巻いた。4日のTPP特別委で強行採決したのも、この安倍首相の“強い意向”ゆえで、なんでも海外の首脳に「わが国は先駆けてTPP承認案を通過させた」と自慢したがっていたために強行採決したという情報もあるほどである。

そして、昨日の大統領選の結果、TPPの発効が事実上なくなり、まったく無意味となったTPP承認案・関連法案を強行採決。それも、佐藤勉・衆院議院運営委員長は本日の本会議開催を「職権」で決定し、山本有二農水相の「強行採決するかどうかは佐藤氏が決める」なる失言そのままに、まさに佐藤委員長が強行採決を決めてしまったのだ。

なぜ、安倍首相は何の意味もなくなったTPPを強行採決したのか。その理由は、相変わらず呆れるようなものだ。

「政権側は“日本が承認案を可決させることでアメリカを説得するのだ”などと述べていますが、そんなことが不可能なのはわかりきっている。完全に見込み違いだったんですよ。でも、アメリカの動きによって取り下げれば、『なぜもっと慎重に進めなかったのか』『対米追従か』と安倍政権に対する非難が起こってしまう。それを阻止するために見栄を張っただけです。いわば世界に恥をさらしたようなもので、まったく世界の笑い者ですよ(苦笑)」(大手紙政治部記者)

だが、こうした事態になった責任はメディアにもある。アメリカの動向以前に、食の安全性や保険料・医薬品の高額化など、既報の通りTPPには膨大な懸念、問題点がある。それらはすべてわたしたちの生活に直結する死活問題であるにもかかわらず、国会でTPPが審議入りしてからも、とくにテレビは論点をまったくと言っていいほど取り上げてこなかったからだ。

たとえば、今回の臨時国会でTPP審議がはじまってからも、報道番組でさえ内容には踏み込まずストレートニュースで伝えるのみ。TPPがわたしたちの生活をいかに脅かすのか、そうした点に全国ネットの番組で言及したのは『サンデーモーニング』(TBS)くらいだろう。

なかでも露骨だったのは、ワイドショーだ。山本農水相の口から「強行採決するかどうかは佐藤氏が決める」という国会軽視も甚だしい言葉が発せられたときも、せいぜいニュースランキングのなかで取り上げられた程度。さらに、2度目の「強行採決発言は冗談」という決定的な失言が飛び出しても、ワイドショーはほんの少し取り上げるだけで、豊洲新市場の盛り土と韓国・朴槿恵大統領の機密漏洩問題に血筋をあげるばかりだった。

とくにワイドショーのスタンスが露わになったのが、『ひるおび!』(TBS)だ。同番組は他のワイドショーよりは多く時間を取って山本農水相の失言問題を伝えたが、その際、コメンテーターの室井佑月が「国会の審議が1個1個の項目じゃなく全体になっちゃって、いろいろな新聞とか週刊誌とか読んでるとほんとうに不安でしようがない」と述べると、司会の恵俊彰は「きょう(番組で)やりたいのはそこじゃないので」とシャットアウト。「オバマさんのうちに(TPPを)決めておこうという流れだと思うんですよ」と安倍首相の代弁のようなことを言ってまとめてしまった。

さらに、特別委での強行採決が行われる直前の同番組では、安倍政権の御用ジャーナリストである田崎史郎が「強行にならない可能性もある」などと解説し、くわえてテロップでも『野党側の狙いは「与党がまた強行採決した」と悪いイメージを植え付けたい』と流した。これは強行採決を控えて、逆に野党に悪いイメージを植え付けようとしていたようなものだ。

しかも、これは強行採決がなされた後のニュース番組も同様だった。4日の特別委での採決では、速記録でも9箇所が「聴取不能」で何が可決されたのかも不明な状態で、佐藤衆院議院運営委員長も「このような強引な例は(過去に)一回もない」と苦言を呈するほどだった。だが、このような議会運営を無視した安倍政権の採決のやり方を過去、厳しく取り上げていた『報道ステーション』(テレビ朝日)も、この日のトップニュースは朴槿恵大統領謝罪。『NEWS23』(TBS)にしても強行採決問題を3番目でやっと取り上げたが、雨宮塔子キャスターは前振りで「大混乱でしたね」とニッコリ微笑むという緊張感のなさだった。

こうした報道の背景には、2010年にTPP参加が検討され始めたときから、ほとんどすべての大手マスコミがこの亡国的条約に全面的に賛意を示していたということがある。新聞の経済部が諸手を挙げて賛同し、社説でもTPP参加を強く訴えたことで、テレビも引きずられ、反対意見はほとんど取り上げなくなった。

そして、2015年、TPPが大筋合意されたときは、あらゆるテレビ番組は「歴史的快挙」などと大々的に取り上げ、「牛肉や豚肉が安くなる」「これで品薄状態のバターも安価で手に入りやすくなる」と強調し、その裏に甚大なリスクがあるという事実を隠した。

さらには、国会審議のなかで食の問題などがテーマになっても、報道ではストレートニュースで政権側の言い分を垂れ流し、本来、生活問題に重きを置くワイドショーは見て見ぬふりをしたのである。

安倍首相や関係大臣は衆院の審議において、TPPの問題点を野党に追及されても納得できる具体的な説明をまったく行わないまま、2度にわたる強行採決をした。TPPが事実上発効されない公算となったとはいえ、これは明確な事実だ。そして、こうした政権の国民を見くびった態度を、テレビは完全にアシストしてきた。そのことは断じて忘れてはいけないだろう。

(編集部)

参照元 : LITERA


<TPP>衆院を通過 承認案と関連法案、本会議で可決

2016/11/10(木) 17:12配信

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の承認案と関連法案は、10日の衆院本会議で与党と日本維新の会の賛成多数により可決され、衆院を通過した。

TPPは太平洋周辺の12カ国が参加し、貿易自由化や投資などのルールを決めた経済連携協定。安倍晋三首相は国会審議で「世界の4割を占める経済圏でモノや人が自由に飛び交う。日本の将来に必要だ」と語っていた。

参照元 : 毎日新聞








米、TPP承認は困難=合意国「内向き」を懸念

2016/11/10(木) 18:00配信

【ワシントン時事】衆院での環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案が可決し、日本の批准は確実になった。

一方、米国では「TPP離脱」を掲げたトランプ氏の大統領選勝利を受け、承認が極めて困難になった。ベトナムなどは承認手続きを来年以降に持ち越し、動向を見極める構え。合意国は「内向きの米国」に懸念を強めている。

12カ国が署名したTPPが発効するには、域内の国内総生産(GDP)合計の6割を占める米国の議会承認が必須条件となる。オバマ大統領は、来週開く「レームダック(死に体)議会」にTPP実施法案を提出し、来年1月までの任期中に批准したい考えだが、上院共和党トップのマコネル院内総務は9日、年内審議は「確実にない」と表明した。

米国の承認が困難になり、安倍政権による「日本が率先して承認し、早期発効の機運を高める」という意気込みは空回りで終わりそうだ。米ブルッキングス研究所の専門家は9日、「TPPがその名前のまま生き残るのは難しい」と指摘。トランプ氏が掲げた保護主義的な政策が米経済活動を損なうと懸念を示した。

ベトナムやチリ、オーストラリアなどは、トランプ次期政権の正式な対応を見極める見通し。マレーシアは年初に議会が承認したものの、批准に必要な関連法の整備はさらに遅れる公算が大きい。

メキシコとニュージーランドは日本に続き、年内に議会手続きを終えるとみられていたが、状況は不透明さを増した。特にメキシコは、トランプ氏が「不公正貿易」を批判しており、摩擦が懸念される。

議会承認が不要なシンガポールのリー・シェンロン首相は8月に「米国が速やかにTPPを批准しなければ、域内での信頼を失う」と警告しており、それが現実になる恐れが高まってきた。(了)

参照元 : 時事通信






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